【習慣化】気づいたらできている!家族の防災力を高める日々のルーティン
忙しい毎日でも「気づいたらできている」防災習慣を
子育てに仕事にと、毎日があっという間に過ぎていく中で、「防災、やらなきゃと思っているけど、なかなか時間が取れない」「何から始めれば良いか分からない」と感じている方は多いのではないでしょうか。災害への備えは大切だと頭では分かっていても、日々の忙しさを前にすると、どうしても後回しになってしまいがちです。
でも、ご安心ください。防災は、特別な時間や労力をかけなければできないものではありません。日々の暮らしの中に、小さな「防災ルーティン」として組み込んでしまえば、無理なく、そして気づいた時には家族の防災力がぐっと高まっているはずです。
この記事では、忙しい子育て家庭でも無理なく続けられる、防災を日々の暮らしに自然に取り込むための具体的なルーティンアイデアをご紹介します。完璧を目指すのではなく、「これならできそう!」と思えることから、ぜひ一つでも取り入れてみてください。
なぜ防災の「習慣化」が大切なのでしょうか?
災害への備えは、一度やれば終わりというものではありません。非常食には賞味期限がありますし、家族の状況や住まいの環境も変化していきます。だからこそ、定期的に見直し、常に最新の状態に保つことが重要になります。
しかし、いざ「防災の時間をまとめて取ろう」と思うと、それがかえって負担になり、なかなか実行に移せないこともあります。そこで効果的なのが、「習慣化」です。毎日の生活の中に防災に関する小さな行動を組み込んでしまえば、意識せずとも自然と継続できるようになります。
例えば、歯磨きを毎日するように、お風呂に入る前に体重計に乗るように、防災も「いつものこと」にしてしまうのです。そうすることで、防災へのハードルが下がり、忙しい毎日の中でも無理なく、着実に備えを進めることができるようになります。
忙しい中でもできる!今日から始められる小さな防災ルーティンアイデア集
ここでは、特別な道具や時間を使わずに、日々の生活の中で実践できる小さな防災ルーティンをご紹介します。「〇〇のついでに△△する」というように、既存の習慣に紐づけるのがおすすめです。
買い物ついでにできるルーティン
- 【週に一度】食料品の買い物リストに「備蓄品1品」を追加 いつもの食材に加えて、レトルト食品や缶詰、乾麺、長期保存可能なパンなどを1品だけリストに加えます。これを習慣にすれば、意識しなくても自然と備蓄が増えていきます。「ローリングストック法」の第一歩としてもおすすめです。
- 【買い物中】賞味期限が長いものを選ぶ意識を持つ 普段買う食品でも、同じ種類ならできるだけ賞味期限が長いものを選んでみましょう。これも、もしもの時の備蓄につながります。
移動中にできるルーティン
- 【通勤・通学中】安全な場所や危険な場所を確認する いつもの通勤路や通学路を歩きながら、「もし地震が起きたら、どこに逃げ込むのが安全だろう?」「この塀は倒れてくるかもしれないな」というように、周囲の状況を少し意識してみましょう。子供と一緒に通学路を歩く際に、「この看板は何かな?(避難所のマークなど)」と話してみるのも良いでしょう。
- 【移動中】家族の集合場所を思い浮かべる もし、家族がバラバラの場所にいる時に災害が起きたら…通勤電車の中や買い物の途中など、いつもの移動中に「あの公園で集合することになってるな」「そこまでどうやって行こうか」と、家族で事前に決めた集合場所やルートを思い浮かべる訓練をしてみましょう。
就寝前や朝起きた時にできるルーティン
- 【寝る前】スマートフォンの充電をチェック 災害時には、情報収集や安否確認にスマートフォンが不可欠です。寝る前に充電残量を確認し、必要なら充電するのを習慣にしましょう。モバイルバッテリーも忘れずに。
- 【寝る前】枕元に非常持ち出し袋を置く 寝室に非常持ち出し袋を置いておくことを習慣にします。いざという時、暗闇でもすぐに持ち出せる安心感が得られます。中身の定期的な確認もセットで習慣化できるとさらに良いです。
- 【朝】地域の天気や防災情報をざっと確認 ニュースアプリや自治体のSNSなどで、地域の天気予報や災害情報を朝起きた時にざっと確認する習慣をつけましょう。特に台風シーズンなどは、早めの情報収集が身を守ることにつながります。
家事や育児の「ついで」にできるルーティン
- 【料理中】キッチンの火元や周囲に燃えやすいものがないか確認 料理を始める前や終えた後に、キッチンのガスコンロ周りや換気扇周りに油汚れや燃えやすいものが溜まっていないか、ざっと確認する習慣をつけましょう。火災予防は初期防災の重要なステップです。
- 【洗濯中】家族の人数分の下着や靴下を非常持ち出し袋用にストック 洗濯物をたたむついでに、家族一人あたり2〜3組の下着や靴下、Tシャツなどを非常持ち出し袋や備蓄品用の段ボール箱に入れておくスペースを確保するイメージを持ちましょう。買い足さなくても、普段使っているものの一部を「回す」ことで備蓄になります。
- 【子供の着替え時】古くなった服を非常持ち出し袋用に残しておく 子供が小さくなり、着られなくなった服を捨てる前に、非常持ち出し袋や車の中などに置いておく用に数着残しておきましょう。災害時は普段着慣れない服よりも、少し小さめでも着慣れた服の方が安心する場合があります。季節に応じて入れ替えも検討します。
- 【部屋の片付け時】家具の固定場所を一つだけチェック リビングや寝室を片付けるついでに、本棚やタンスなどの家具が壁に固定されているか、または転倒防止対策ができているかをざっと確認します。毎日一箇所ずつでも良いですし、週に一度、特定の部屋だけチェックするなど、無理のない範囲で。
家族とのコミュニケーションの中でできるルーティン
- 【食事中や団らん中】「もしも」の話を少しだけする 深刻になりすぎず、「今日、学校で地震訓練があったんだって」「テレビで台風のことやってたね」といった話題から、「もし大きな揺れが来たらどうする?」「連絡取れなくなったらどうする?」といった「もしも」の話を、子供の年齢に合わせて少しだけしてみましょう。ゲーム感覚で「わが家クイズ!避難場所はどこでしょう?」などにするのも効果的です。
- 【休日】家族の集合場所や連絡方法を口頭で確認 特別な時間を作らなくても、お出かけの準備をしている時や公園で遊んでいる時などに、「お父さんとお母さんがバラバラだったら、いつもの公園の時計台のところに集まるんだよね」「連絡は、あのアプリの家族グループで連絡するんだよ」というように、決まり事を再確認する習慣をつけましょう。
習慣を続けるためのヒント
せっかく始めた習慣も、途中で挫折してしまっては意味がありません。習慣化を成功させるためのいくつかのヒントをご紹介します。
- 「小さく始める」を徹底する: 最初から大きな目標を設定せず、「週に一度、備蓄品を1品買う」「寝る前に充電を確認する」など、簡単にできることから始めましょう。慣れてきたら、少しずつステップアップすれば良いのです。
- 「〇〇のついで」を意識する: 既存の生活ルーティンに紐づけることで、新しい習慣を定着させやすくなります。「朝食の準備のついでに天気予報と防災情報をチェック」「子供の着替えのついでに非常持ち出し袋の服を確認」など、セットで行うことを意識しましょう。
- 記録をつける、可視化する: 「いつものこと」に慣れてしまうと、やっていることを意識しなくなることがあります。簡単なチェックリストを作って、できた日に印をつけるなど、習慣を可視化するのも効果的です。スマートフォンのリマインダー機能なども活用できます。
- 家族で共有・協力する: 一人で抱え込まず、家族みんなで防災を意識することが大切です。「お父さんはスマホの充電をチェックするね」「お母さんは買い物で備蓄品を選ぶよ」「子供たちは避難場所のクイズに答えようね」のように、役割分担するのも良いでしょう。
- 完璧を目指さない: 習慣にしようと思っても、忙しくてできない日もあるかもしれません。そんな時は自分を責めず、「また明日から頑張ろう」と気持ちを切り替えることが大切です。時々できなくても気にせず、継続することを最優先に考えましょう。
まとめ:小さな積み重ねが、家族の安心につながります
防災は特別なことではなく、日々の暮らしの中にあるものと捉え、小さな習慣として取り入れていくこと。これが、忙しい子育て家庭にとって最も効果的な防災対策の一つと言えるでしょう。
ご紹介したルーティンアイデアは、あくまで一例です。ご自身の家族の状況やライフスタイルに合わせて、無理なく続けられるオリジナルのルーティンを見つけてみてください。
「気づいたらできている」小さな防災ルーティンが、いつか来るかもしれない「もしも」の時に、きっと家族を守る大きな力になります。今日から、できることから一つ、始めてみませんか。