【時短】もしもの時、困らない!子育て家庭の災害トイレ対策と備え
もしもの時、トイレが使えなくなったら?子育て家庭の切実な問題
毎日の生活に追われながらも、家族の安全のために防災に取り組みたいとお考えの皆さま、こんにちは。「わたしたちの防災計画室」です。
地震や台風などの災害が発生した時、ライフラインの中でも特に困るものの一つに「トイレ」があります。断水や排水管の破損によって、自宅のトイレが使えなくなる可能性は十分に考えられます。
大人だけでも大変ですが、小さなお子さんがいるご家庭では、さらに切実な問題となることが多いです。急な「おしっこ!」「うんち!」に対応できない、使用済みのオムツの処理に困る、衛生面が心配…など、考えるだけで不安になりますよね。
でも、ご安心ください。災害時のトイレ問題は、事前の備えで大きく負担を減らすことができます。この記事では、子育て家庭の皆さまが、もしもの時にトイレで困らないための具体的な対策と、忙しい日々の中でも無理なくできる備えのヒントをご紹介します。
災害時、なぜトイレが使えなくなるのでしょうか?
災害によってトイレが使えなくなる主な理由は以下の通りです。
- 断水: 地震による水道管の破裂や、停電によるポンプ停止などで水道が止まると、水洗トイレは流せなくなります。
- 排水管の破損: 建物の揺れや液状化などによって、下水道の本管や自宅の排水管が壊れると、水を流しても適切に処理されません。汚水が逆流したり、そのまま滞留したりする危険性があります。
電気やガスと違い、水の供給や排水機能の復旧には時間がかかることがあります。大規模な災害では、復旧まで数週間かかることも想定しておく必要があります。
災害時のトイレ問題対策の基本:簡易トイレの準備
自宅のトイレが使えなくなった場合に備える最も基本的な対策は、簡易トイレを準備しておくことです。
簡易トイレにはいくつかの種類があります。
- 携帯トイレ: 便座にセットする袋と、排泄物を固める凝固剤がセットになったものです。使用中のトイレにかぶせて使ったり、バケツや段ボール箱にセットして使ったりします。コンパクトで持ち運びやすく、手軽に準備できます。
- 組み立て式簡易トイレ: 段ボールやプラスチックなどでできた便座付きの簡易トイレです。比較的しっかりしており、安定感があります。処分時にかさばることがあります。
- 既存のトイレを活用するタイプ: 自宅の洋式便座に、排泄物を受け止めるバケツや専用の袋をセットして使うタイプです。使い慣れた便座を使える利点があります。
簡易トイレを選ぶ際のポイント
- 必要数: 災害発生後、トイレが復旧するまでの日数を想定して準備します。一般的に、1人あたり1日5回分を目安と言われています。家族の人数×想定日数×5回分で計算してみましょう。例えば、4人家族で3日分備えるなら、4人×3日×5回 = 60回分となります。お子さんが小さい場合は、もう少し余裕を持たせても良いかもしれません。
- 扱いやすさ: 凝固剤の使いやすさや、袋の強度などを確認しましょう。
- 消臭機能: 凝固剤に消臭効果があるものがおすすめです。
- 保管場所: 使う可能性のあるトイレの近くや、すぐに取り出せる場所に保管できるかも考慮します。
簡易トイレ以外の必要な備え
簡易トイレだけでなく、一緒に準備しておきたいものがあります。
- トイレットペーパー: 多めに備蓄しておきましょう。
- ウェットティッシュ: 手を拭いたり、体を拭いたり、様々な用途で役立ちます。アルコール入りのものと、赤ちゃんにも使えるノンアルコールのものがあると便利です。
- 消臭スプレー: トイレ周りの衛生環境を保つのに役立ちます。
- 除菌シート・除菌ジェル: 手指の消毒や、汚れた場所を拭くのに使います。
- 厚手のゴミ袋(45リットル程度): 使用済みの簡易トイレを捨てるのに使います。外袋として多めに必要です。
- 目隠し用のシートや段ボール: プライバシー確保のために必要になる場合があります。
- ゴム手袋: 清掃時などに使用します。
- バケツまたはフタ付きのゴミ箱: 簡易トイレとして使う場合や、使用済みゴミの一時保管場所として役立ちます。
子育て家庭ならではのトイレ対策ポイント
小さなお子さんがいるご家庭では、さらにいくつか意識しておきたいことがあります。
- オムツの備蓄: トイレが使えなくても、小さなお子さんは普段通り排泄します。紙オムツを使っている場合は、普段より多めに備蓄しておきましょう。非常時で衛生的にお風呂などに入れない状況が続くと、肌トラブルのリスクも高まります。
- 布オムツ・おねしょシーツなど: 洗濯が難しい状況を考えると、紙オムツが便利ですが、布オムツを使っている場合は予備を多めに。おねしょシーツや吸水シートなども役立ちます。
- 子供用補助便座や踏み台: 普段、補助便座や踏み台を使ってトイレをしているお子さんのために、簡易トイレを使う際にも使えるものがあるか確認しておきましょう。子供向けの組み立て式簡易トイレもあります。
- 子供への説明: 災害時には大人も不安になりますが、子供はさらに不安を感じやすいものです。「いつものトイレと違うけど大丈夫だよ」「これは特別なトイレだよ」など、お子さんの年齢に合わせて分かりやすく説明できるように、事前に親子で話し合っておくと良いでしょう。
- 手洗いの徹底: トイレ使用後はもちろん、食事の前など、こまめな手洗いが重要です。断水時は、備蓄しておいた水やウェットティッシュ、除菌ジェルなどを活用します。
時短でできる!忙しい毎日のトイレ備え
「防災備蓄、やらないとと思っているけど、なかなか時間がなくて…」という方も多いと思います。でも、トイレの備えは、毎日の買い物のついでや、ちょっとしたすきま時間にできることがたくさんあります。
- 日常の買い物リストに追加:
- トイレットペーパーやウェットティッシュ、消臭スプレーなど、普段使っているものを買う際に、少しだけ多めに買う習慣をつけましょう。
- ドラッグストアなどで、凝固剤付きの携帯トイレをいくつか買っておき、リュックやストック場所に加えておくのも手軽です。
- 収納場所を決める:
- 簡易トイレや衛生用品をどこに置くか、家族で共有しておきましょう。使う可能性のあるトイレの近くや、リビングなど家族が集まる場所の近くが便利です。
- 普段使わないものを置いている場所を一つ、防災備蓄コーナーにしてみましょう。
- 「もしも」を想像してみる:
- 「もし今、トイレが使えなくなったら、どうする?」と、家族で(または一人で)短い時間で考えてみましょう。それだけでも、必要なものが思い浮かびやすくなります。
- 備えリストを作って貼っておく:
- 必要なものをリストアップし、冷蔵庫など家族が見やすい場所に貼っておくと、買い物の際に思い出しやすくなります。「あとこれだけ!」と達成感も得られます。
簡易トイレ備えリスト(例)
- 携帯トイレセット(凝固剤、袋付き):家族人数×日数×5回分
- 厚手のごみ袋(45L程度):20枚以上
- トイレットペーパー:普段の+3~5個
- ウェットティッシュ:大判、厚手のもの 2~3個
- 除菌シートまたは除菌ジェル:1~2個
- 消臭スプレー:1本
- ゴム手袋:1~2組
- 目隠しシートまたは大きめの布
子育て家庭向け追加リスト(例)
- 紙オムツ:普段の+1週間分程度
- おしりふき:普段の+1~2個
- 子供用簡易トイレまたは補助便座(必要に応じて)
- 子供向けの説明を考えたメモ
このリストを参考に、ご家庭に必要なものを書き出して、準備を進めてみてください。
まとめ:日常の備えが、もしもの時の安心につながります
災害時のトイレ問題は、決して避けて通れない重要な課題です。特に小さなお子さんがいるご家庭では、早めの備えが安心につながります。
簡易トイレや必要な衛生用品を準備しておくこと、そしてそれをどこに置いたか家族で共有しておくこと。これだけでも、もしもの時の行動が大きく変わります。
全てを一度に完璧に揃えようと思うと大変かもしれません。ご紹介したように、毎日の生活の中で、少しずつ、できることから始めてみましょう。いつもの買い物ついでに一つアイテムを追加したり、すきま時間にリストを見直したり。
「時短」でできる、そして「具体的」な備えを心がけることで、忙しい毎日の中でも無理なく防災に取り組んでいくことができます。
この情報が、皆さまのご家庭の防災計画の一助となれば幸いです。
「わたしたちの防災計画室」では、住民の皆さまが自主的に防災計画を立て、見直していくためのヒントやツールをご紹介しています。他の記事も参考に、ぜひご家庭に合った防災対策を進めてください。