【時短・家族で】絵でわかる!わが家防災マップの作り方と活用術
ご家族の安全を守るために、防災への備えは大切だと分かっていても、「何から始めたら良いか分からない」「忙しくて時間がない」と感じている方は少なくないかもしれません。特に小さなお子さんがいるご家庭では、日々の生活に追われながらの防災準備は大変なことと思います。
そこで今回は、楽しみながら家族みんなで防災に取り組める「わが家防災マップ」の作り方をご紹介します。家の中や近所の安全な場所、危険な場所を絵や記号で書き込むことで、家族みんなの防災意識を高め、もしもの時に落ち着いて行動するための第一歩を踏み出しましょう。特別な準備はほとんど必要ありません。身近なものを使って、お子さんと一緒に宝探しをするような感覚で始めてみませんか。
わが家防災マップを作る目的
「わが家防災マップ」は、専門的な地図である必要はありません。あくまで、ご家族にとって分かりやすいオリジナルの地図です。これを作ることで、次のような目的を達成できます。
- 家の中の危険箇所と安全な場所の確認: 普段何気なく過ごしている家の中にも、地震などの災害時に危険な場所や、一時的に身を守れる安全な場所があります。それらを家族で一緒に見つけ、共有します。
- 非常持ち出し品や備蓄品の場所の共有: いざという時に「あれどこだっけ?」とならないよう、重要な防災グッズの置き場所をマップに書き込み、家族全員がすぐに分かるようにします。
- 避難経路や近所の危険箇所の確認: 自宅から一時避難場所や指定避難所までの安全な道を家族で歩いて確認し、マップに書き込みます。また、近所にある塀や自動販売機など、倒壊の危険がある場所も確認しておきます。
- 家族の共通認識と行動計画の基礎: マップ作りを通じて、家族で防災について話し合う機会が生まれます。「もし地震が起きたら、まず〇〇に集まろうね」など、具体的な行動計画を立てるきっかけにもなります。
- 子どもの防災意識の向上: 子どもは遊びを通して学ぶのが得意です。マップ作りをゲーム感覚で行うことで、防災を自分ごととして捉え、危険を察知する能力や、身を守るための行動を自然と身につけることができます。
準備するもの:身近なものでOK
わが家防災マップ作りには、特別なものは必要ありません。ご家庭にあるもので十分に始められます。
- 紙: 大きめの紙(模造紙、画用紙、数枚のコピー用紙を貼り合わせるなど)
- 筆記用具: 鉛筆、ペン、色鉛筆、マーカー
- その他(任意): シール、付箋、ハサミ、のり
絵が得意でなくても大丈夫です。簡単な記号やイラストで十分伝わります。お子さんの好きなキャラクターのシールを使ったり、色をたくさん使ったりすると、もっと楽しくなります。
絵でわかる!わが家防災マップの作り方:簡単ステップ
お子さんと一緒に、楽しみながら以下のステップで進めてみましょう。一度に全部やろうとせず、無理のない範囲で少しずつ進めるのがポイントです。
ステップ1:家の中を探検してみよう!
紙の真ん中あたりに、わが家の間取りを簡単に書いてみましょう。お子さんに「どこにお部屋があるかな?」と聞きながら、リビング、キッチン、寝室、子ども部屋などを書き込んでいきます。
次に、家族みんなで家の中を探検します。「どこが危ないかな?」「どこが安全かな?」と声に出しながら、一緒に見て回りましょう。
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危険な場所の発見:
- 背の高い家具や棚で、固定されていないものはありませんか?(地震で倒れる危険があります)
- 窓ガラスや食器棚など、割れると危険なものはありませんか?
- 熱帯魚の水槽や観葉植物など、落ちてくる危険のあるものはありませんか?
- 物が散らかっていて、避難の際に足元をふさいでしまう場所はありませんか?
- コンロの周りなど、火災の原因になりやすい場所はありませんか?
- お子さんの背丈より高い場所で、物が落ちてきそうな場所はありませんか?
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安全な場所の発見:
- 丈夫な机の下など、一時的に身を隠せる場所はどこでしょうか?
- 家具などが少なく、比較的広いスペースはありますか?
見つけた場所を、マップに簡単な絵や記号で書き込んでいきます。例えば、倒れそうな家具にはバツ印、安全な机の下には二重丸、窓ガラスにはギザギザの線、など家族で分かりやすいマークを決めましょう。お子さんに絵を描いてもらうのも良いですね。
ステップ2:防災グッズの場所を書き込もう!
非常持ち出しリュック、非常食や水の備蓄場所、懐中電灯、ラジオ、救急セットなど、防災グッズの保管場所をマップに書き込みます。「非常持ち出しリュックの絵」や「水のマーク」などを描くと分かりやすいです。
お子さんに「もし暗くなったら、どこに懐中電灯があるかな?」と質問しながら、一緒に場所を確認すると効果的です。
ステップ3:近所を探検してマップに追加しよう!
ご家族で一緒に、自宅から近所の公園や一時避難場所まで歩いてみましょう。
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安全な避難経路の確認:
- 道幅が広く、物が倒れてくる危険が少ない道はどこでしょうか?
- 信号や横断歩道の場所、交通量の多い道を確認します。
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近所の危険箇所と安全な場所の確認:
- 古いブロック塀や電柱、看板など、倒壊の危険がある場所はありませんか?
- 川や水路など、増水や氾濫の危険がある場所はありませんか?
- 広場や公園など、一時的に安全を確保できる場所はどこでしょうか?(地域の指定一時避難場所などを確認しておきましょう)
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指定避難所の場所:
- 地域の指定避難所はどこでしょうか?マップに書き込みます。
- 避難所までの道順を、実際に歩きながら確認します。
見つけた情報も、家の中のマップと同じように、簡単な絵や記号で書き加えていきます。例えば、危険なブロック塀には「危ない塀の絵」、安全な公園には「公園のマーク」、避難所には「家のマークに人」など、家族でアイデアを出し合いながら決めましょう。
ステップ4:作ったマップを活用しよう!
マップが完成したら、家族みんなが見られる場所に貼っておきましょう。冷蔵庫のドアや、リビングの壁などがおすすめです。
- 定期的に見直す: 引っ越しや模様替え、お子さんの成長などで家の中の状況は変わります。年に数回など、定期的にマップを見直して、新しい情報を書き加えたり、古くなった情報を修正したりしましょう。
- 家族で話し合う: マップを見ながら、「地震が起きたら、まずこの安全な場所に集まろうね」「火事の時は、この道で逃げようね」など、具体的な行動について家族で話し合います。
- ミニ訓練をしてみる: マップに沿って、安全な場所に隠れる練習をしたり、非常持ち出しリュックの場所まで走ってみるなど、簡単なミニ訓練をしてみるのも効果的です。
- 子どもに説明してもらう: お子さんに「このマークは何?」「ここはどんな場所だった?」と質問して、マップの内容を説明してもらうことで、理解度が深まります。
子どもと一緒に楽しむ工夫
マップ作りは、お子さんにとっては遊びの一環です。飽きずに楽しく取り組めるよう、いくつかの工夫を取り入れてみましょう。
- 宝探しゲーム: 「家の中に隠された危ない場所を探そう!」と声をかけ、宝探しのように危険箇所を見つけに行きます。見つけたらシールを貼るなどのルールを作るのも楽しいです。
- 好きな色やキャラクターを使う: お子さんの好きな色のペンを使ったり、大好きなキャラクターのシールを「安全の印」として貼ったりすることで、マップ作りのモチベーションが上がります。
- ごっこ遊びに発展: 完成したマップを使って、「地震ごっこ」「お買い物ごっこ(備蓄品を取り出す練習)」など、防災に関連したごっこ遊びをするのも、楽しみながら学べる良い方法です。
- 褒めて励ます: お子さんが発見したことや、描いた絵をたくさん褒めてあげましょう。「〇〇くんが見つけてくれたおかげで、わが家がもっと安全になったね!」など、肯定的な言葉がけは、次への意欲につながります。
まとめ
わが家防災マップ作りは、一度行えば終わりではありません。ご家族の状況や、お子さんの成長に合わせて見直し、更新していくことが大切です。
このマップ作りを通じて、ご家族で防災について話し合い、共に考え、行動する機会を増やしていただけたら嬉しく思います。忙しい毎日の中でも、お子さんと一緒に楽しみながら、少しずつ防災の備えを進めていきましょう。家族みんなで作ったマップは、きっとわが家の大切な「あんしん地図」になります。