【時短】もしもの時、家に留まるために!子育て家庭向け在宅避難の準備とチェックリスト
【時短】もしもの時、家に留まるために!子育て家庭向け在宅避難の準備とチェックリスト
日々の育児や家事に追われている中、「防災対策、きちんとできているかな…」と、漠然とした不安を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。災害はいつ起こるか予測できませんが、備えをしておくことで、もしもの時に落ち着いて行動することができます。
災害時、避難所へ行くことが難しい場合や、自宅の安全が確認できた場合には、「在宅避難」という選択肢があります。特に小さな子供がいるご家庭では、慣れない環境での生活が負担になることも考えられますので、自宅で過ごせる準備をしておくことはとても大切です。
この記事では、子育て中のご家庭に向けて、在宅避難のために備えておきたい具体的な準備と、確認に便利なチェックリストをご紹介します。忙しい毎日の中でも、少しずつ、できることから取り組んでいきましょう。
在宅避難とは?なぜ子育て家庭に重要なのでしょうか
在宅避難とは、災害が発生しても自宅に留まり、自宅で安全を確保しながら生活を送ることです。建物自体に大きな被害がなく、電気や水道などのライフラインが一時的に止まる、または一部が停止するような場合に選択肢となります。
子育て中のご家庭にとって、在宅避難の準備をしておくことが重要な理由には、次のような点が挙げられます。
- 子供の環境変化への負担軽減: 住み慣れた自宅であれば、小さな子供も比較的安心して過ごしやすくなります。
- プライベート空間の確保: 授乳やおむつ替え、着替えなどを周囲に気兼ねなく行えます。
- 感染症リスクの低減: 避難所での集団生活に比べ、感染症のリスクを抑えることができます。
- 備蓄品や子供用品が使いやすい: 日頃から使い慣れているものや、子供の成長に合わせたものを備蓄・使用しやすい環境です。
ただし、自宅が安全であることが大前提です。大きな揺れによる建物の損壊や土砂災害の危険がある地域など、自宅での安全確保が難しい場合は、迷わず避難所へ避難することが大切です。地域のハザードマップを確認し、自宅のリスクを把握しておきましょう。(ハザードマップについては、既存の記事「【はじめてでも安心】家族みんなで確認!地域のハザードマップを防災に活かす簡単ステップ」も参考にしてください。)
在宅避難のための具体的な準備リスト
在宅避難では、ライフラインが停止しても数日間生活できる備えが必要です。ここでは、準備しておきたいものを項目別に整理してご紹介します。
1. 水の確保
人間は飲料水だけでなく、生活用水も必要です。
- 飲料水: 1人1日3リットルを目安に、最低3日分、できれば1週間分を用意しましょう。ペットボトルでの備蓄が便利です。
- 生活用水: トイレを流す、手を洗う、食器を拭く(洗い流さない)などのために必要です。ポリタンクに水を貯めておく、お風呂の浴槽に水を張っておくなどが有効です。断水前に準備しましょう。
2. 食料の確保
火や電気を使わずに食べられるもの、子供でも食べやすいものを中心に備蓄します。
- 非常食: カンパン、アルファ米、レトルト食品(カレー、パスタソースなど)、缶詰(魚、肉、野菜)、フリーズドライ食品など。温めなくても食べられるものを選びましょう。
- ローリングストック: 普段食べている食品を少し多めに買い置きし、古いものから消費して買い足していく方法を取り入れましょう。(ローリングストックについては、既存の記事「【時短&賢く】買い物ついでにできる!家族のための非常食ストック術(ローリングストック活用)」も参考にしてください。)
- 子供向け食品: レトルト離乳食、お菓子、ゼリー飲料、粉ミルク、ベビーフードなど。子供の月齢や好みに合わせて、多めに用意しておくと安心です。
- カセットコンロとカセットボンベ: 温かいものが食べたいときに役立ちます。カセットボンベは多めに備蓄しておきましょう。
3. ライフライン停止への備え(電気・ガス・トイレ)
電気が止まると照明や情報収集ができなくなり、ガスが止まると調理ができなくなります。また、水が止まるとトイレが使えなくなります。
- 明かり: 懐中電灯、ランタン、ろうそく(火の元に注意)。電池式のものや手回し式のものが便利です。
- 電気: モバイルバッテリー(大容量のもの)、充電器、予備の乾電池。情報収集のためにラジオも必須です。
- トイレ: 簡易トイレ、凝固剤、消臭袋。新聞紙や猫砂なども代用できますが、専用品が衛生的で便利です。使用済みを一時保管するバケツやゴミ袋も必要です。
- 熱源: カセットコンロ(食料の項目で既出)。
4. 衛生用品・医療品
断水時でも清潔を保つ工夫や、体調を崩した時の備えです。
- 衛生用品: ウェットティッシュ、アルコール消毒液、ハンドソープ(水不要タイプ)、ドライシャンプー、歯磨きシート、生理用品、おむつ、おしりふきなど。
- 医療品: 絆創膏、ガーゼ、包帯、体温計、常備薬(かかりつけ医に相談して予備を確保)、風邪薬、解熱鎮痛剤、胃腸薬、子供用シロップ薬など。お薬手帳のコピーもあると良いでしょう。
5. 生活空間の確保とその他
自宅が安全でも、安全な場所を確保したり、快適に過ごすための工夫が必要です。
- 安全な場所: 窓ガラスや背の高い家具から離れた、家の中で最も安全な場所(リビングの中心、寝室など)を決めておきましょう。
- 防寒・防暑対策: 毛布、寝袋、カイロ、夏場は扇風機や冷却シートなど。
- 貴重品: 現金(小銭も含む)、預金通帳や保険証のコピー、印鑑、免許証など。すぐに持ち出せるようにまとめておきます。
- 子供用品: お気に入りのおもちゃ、絵本、塗り絵など、子供が安心したり時間をつぶせるもの。着替えも日数分用意しておきましょう。
- その他: ラップ(食器に敷いて洗う手間を省く)、アルミホイル、ビニール袋(大小)、布ガムテープ、油性マジック、軍手、万能ナイフ、裁縫セットなど。
在宅避難の準備チェックリスト
これまでの内容を、忙しい合間にも確認しやすいチェックリスト形式にまとめました。印刷したり、スマートフォンのメモ機能に貼り付けたりしてご活用ください。
【在宅避難準備チェックリスト】
□ 基本の確認
- [ ] 地域のハザードマップを確認し、自宅のリスクを把握している
- [ ] 家族で災害時の連絡方法や安否確認方法を決めている(既存記事「【実践】家族で決める!災害時の連絡方法・安否確認・集合場所ガイド」参照)
- [ ] 家の中で最も安全な場所を確認している
- [ ] 家族全員で避難場所までのルートを確認している(在宅避難が難しくなった場合のため)
□ 水の備え
- [ ] 飲料水(1人1日3L目安 × 最低3日分)を備蓄している
- [ ] 生活用水確保のためのポリタンクや浴槽への貯水方法を確認している
□ 食料の備え
- [ ] 火を使わずに食べられる非常食を備蓄している
- [ ] ローリングストックで普段の食品を多めに備蓄している
- [ ] 子供の月齢に合わせた非常食や食品(粉ミルク、離乳食など)を備蓄している
- [ ] アレルギー対応が必要な家族のための食品を備蓄している
- [ ] カセットコンロとカセットボンベを備蓄している
□ ライフライン停止への備え
- [ ] 懐中電灯やランタン、予備の電池を用意している
- [ ] モバイルバッテリー(大容量)や充電器を用意している
- [ ] 情報を得るためのラジオ(電池式または手回し式)を用意している
- [ ] 簡易トイレ、凝固剤、消臭袋を用意している
- [ ] 使用済み簡易トイレ用のバケツや袋を用意している
□ 衛生用品・医療品の備え
- [ ] ウェットティッシュ、アルコール消毒液、水不要ハンドソープを用意している
- [ ] 生理用品、おむつ、おしりふきを備蓄している
- [ ] 絆創膏、体温計、常備薬、かぜ薬、子供用薬などを用意している
- [ ] お薬手帳のコピーを用意している
□ その他必要なもの
- [ ] 毛布、寝袋、カイロなど防寒対策を用意している
- [ ] 扇風機や冷却シートなど防暑対策を用意している
- [ ] 現金(小銭含む)、保険証コピーなどの貴重品をまとめている
- [ ] 子供が安心できるおもちゃや絵本を用意している
- [ ] 着替え(家族人数分 × 数日分)を用意している
- [ ] ラップ、アルミホイル、ビニール袋、布ガムテープなどを用意している
家族で話し合うべきこと
準備リストを埋めるだけでなく、家族で話し合っておくべき大切な点があります。
- 在宅避難から避難所への移動を判断する基準: 家の被害が大きくなった、ライフラインの復旧が見込めない、体調が悪化した、などの場合にどう判断するか。
- ライフラインが止まった場合の生活ルール: トイレの使い方、水の節約方法、電気を使わない時間帯など。
- 各自の役割: 子供がいる場合は、大人が役割分担をする必要があるかもしれません。
- 子供への説明: 小さな子供にも、難しくない言葉で「地震がきたらどうする」「電気がない時はこうする」といったルールを伝えておくと、いざという時にパニックになりにくくなります。絵本などを活用するのも良いでしょう。(既存記事「小さな子供とも無理なく!家族みんなで取り組む防災訓練のヒント」も参考にしてください。)
まとめ
もしもの時に自宅で安全に過ごすための在宅避難の準備は、子育て中のご家庭にとって安心につながる大切な防災対策の一つです。ご紹介したチェックリストを参考に、無理のない範囲で、できることから少しずつ準備を進めてみてください。
防災は一度やったら終わり、ではありません。お子さんの成長や家族の状況の変化に合わせて、備蓄品を見直したり、避難計画を話し合ったりと、定期的に確認・改善していくことが大切です。
この記事が、ご家庭の防災計画を考えるきっかけとなれば幸いです。