突然の停電・断水に困らない!子育て家庭の備えチェックリスト
もしもの時の停電・断水、子育て家庭はどう乗り越える?
日々の生活の中で、電気や水道が当たり前のように使えることに、私たちはあまり意識を向けていません。しかし、地震や台風、大雪など、自然災害は突然発生し、ライフラインがストップしてしまう可能性があります。
特に小さなお子さんを育てているご家庭では、停電や断水は大きな不安につながりますよね。ミルク用のお湯はどうする?離乳食は?オムツの替えは?洗濯や洗い物は?お風呂は?夜間の照明は?夏場の暑さや冬場の寒さは?考え始めると、きりがありません。
限られた時間の中で、どうすれば最低限の備えができるのか、何から手をつければ良いのか分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、もしもの時に慌てず、少しでも安心して過ごせるように、子育て家庭が特に備えておきたい停電・断水対策について、具体的で実践的なチェックリスト形式でご紹介します。
停電に備えるチェックリスト
停電が発生すると、照明、冷蔵庫、エアコン、電子レンジ、スマートフォン、テレビなど、多くの電化製品が使えなくなります。特に夜間の停電は、小さなお子さんがいると不安を感じやすい状況です。
照明の確保
- 懐中電灯・ランタン: 各部屋に最低1つ、枕元などすぐに手が届く場所に置いていますか?
- 予備の電池も十分に用意していますか?
- できれば、倒れにくく、広範囲を照らせるランタンがあると安心です。
- ヘッドライト: 両手が空くので、暗闇での作業や移動に便利です。
- 携帯ラジオ: 正確な情報を得るために必要です。電池式を用意しましょう。
情報収集と通信手段
- モバイルバッテリー: スマートフォンは情報収集や安否確認の生命線です。容量の大きいモバイルバッテリーを家族人数分、または予備を含めて複数用意し、常に充電しておきましょう。
- カーチャージャー: 車がある場合は、車での充電も可能です。
- 携帯ラジオ: テレビやインターネットが使えない場合でも、情報が得られます。ワイドFM対応だと、AM放送が聞き取りにくい場所でもクリアに聞けることがあります。
食料の管理と調理
- 冷蔵庫の工夫: 停電が始まったら、できるだけドアを開けないようにしましょう。保冷効果を高めるため、普段から隙間なく物を入れておくことも有効です。
- 保冷剤や、余裕があればクーラーボックスを準備しておくと、一時的に食材を移すのに役立ちます。
- 電気を使わない調理器具:
- カセットコンロと予備のガスボンベを用意していますか?(換気を十分に行い、安全に注意して使用してください)
- 固形燃料や、湯せん、ポリ袋調理なども有効です。
- 火を使わない食料: カンパン、レトルト食品、缶詰、フリーズドライ食品など、開封してすぐに食べられるものを備蓄しておきましょう。
温度調整
- 夏場の暑さ対策:
- 電池式扇風機やうちわ、扇子。
- 保冷剤やアイス枕(冷凍庫に入れておく)。
- 体を拭くためのウェットシートや冷却シート。
- 十分な水分(経口補水液なども含む)。
- 冬場の寒さ対策:
- 毛布、ブランケット、寝袋。
- 使い捨てカイロ。
- 暖かい下着や靴下、重ね着できる衣類。
- 室内でも防寒対策ができる暖かい服装。
断水に備えるチェックリスト
断水すると、飲み水だけでなく、料理、トイレ、手洗い、洗濯など、生活全般に大きな影響が出ます。特に衛生面での不安が大きくなります。
飲料水・生活用水の確保
- 飲料水: 1人1日3リットルを目安に、最低3日〜1週間分を備蓄しましょう。小さなお子さんや妊婦さんはより多くの水が必要な場合があります。
- ペットボトル入りの水のローリングストック(使った分だけ買い足す方法)がおすすめです。
- 生活用水: トイレを流したり、手を洗ったり、体を拭いたりするために水が必要です。
- お風呂の残り湯を常に張っておく習慣をつけましょう。
- ポリタンクやバケツ、給水バッグなどを複数用意し、断水前に水を溜めておきましょう。
トイレ対策
- 簡易トイレ: 凝固剤や消臭剤とセットになった簡易トイレを人数分×日数分用意していますか?
- 使い方が簡単で、処理がしやすいものを選びましょう。
- 非常用トイレセット: 洋式トイレにかぶせて使うタイプなども便利です。
- トイレットペーパーも多めに備蓄しておきましょう。
衛生対策
- ウェットシート・ボディシート: 手洗いや体拭きに使えます。アルコール入りの除菌シートもあると安心です。
- アルコール消毒液: 手指の消毒に使います。
- ドライシャンプー: 入浴できない時に髪を清潔に保つのに役立ちます。
- 口腔ケア用品: 歯磨きシートや液体歯磨きなども有効です。
食器洗い対策
- 使い捨て食器: 紙皿、紙コップ、割り箸などを用意しておくと、洗う水を節約できます。
- ラップ: 食器にラップを敷いてから盛り付ければ、食後にラップを捨てるだけで食器を汚さずに済みます。
- ポリ袋: 鍋にポリ袋をセットして調理すれば、洗い物を減らせます。(耐熱温度を確認してください)
子育て家庭のための特別な備え
お子さんの月齢や状況に合わせて、よりきめ細やかな備えが必要です。
- ミルク・離乳食:
- 液体ミルクやキューブタイプの粉ミルク(湯冷まし不要のものもある)、使い捨て哺乳瓶。
- パウチや瓶入りの離乳食(電気や火を使わずに食べられるもの)。
- アレルギーがある場合は、対応食を多めに備蓄しましょう。
- オムツ・おしりふき: いつもより多めに備蓄しておきましょう。布オムツや使い捨てではないおむつライナーなども検討できます。
- 衛生用品: 子供用石鹸、ガーゼ、体温計、常備薬(かかりつけ医に相談して多めに処方してもらう)。
- 衣類: 着替えだけでなく、温度調整しやすい肌着や上着。
- 子供が退屈しない工夫: 絵本、おもちゃ、塗り絵など、電気を使わずに遊べるものを用意しておきましょう。
わが家の停電・断水備蓄チェックリスト(例)
以下はあくまで一例です。ご家族の人数、お子さんの年齢、地域の特性に合わせて内容を見直してください。
- [ ] 水(飲料水): 1人1日3L × 家族人数 × 3日分以上
- [ ] 水(生活用水用ポリタンク等): 複数個(ベランダやお風呂場に常備)
- [ ] カセットコンロ・ガスボンベ: コンロ1台、ボンベ3本以上
- [ ] 火を使わない非常食: 家族人数 × 3日分以上
- [ ] 液体ミルク・粉ミルク・哺乳瓶: 必要な日数分、使い捨て哺乳瓶
- [ ] 離乳食・子供用食品: 必要な日数分
- [ ] オムツ・おしりふき: 1週間分以上
- [ ] 懐中電灯・ランタン・ヘッドライト: 各部屋分、予備電池
- [ ] モバイルバッテリー: 複数個、常に充電
- [ ] 携帯ラジオ: 予備電池
- [ ] 簡易トイレ・凝固剤・消臭剤: 人数×日数分
- [ ] ウェットシート・除菌シート: 大判タイプやアルコール入りなど複数
- [ ] 使い捨て食器(紙皿、コップ、割り箸): 必要な日数分
- [ ] ラップ・アルミホイル
- [ ] ゴミ袋: 大量に必要
- [ ] 保冷剤・クーラーボックス
- [ ] 毛布・ブランケット
- [ ] カイロ
- [ ] 救急セット・常備薬
- [ ] 体温計
- [ ] 子供が飽きない遊び道具(電池不要)
- [ ] (夏場)電池式扇風機、冷却グッズ
- [ ] (冬場)暖かい衣類
大切なのは「できることから」「家族で」
完璧な備えを一気に揃えるのは大変です。まずは飲料水の備蓄から、あるいは寝室の枕元に懐中電灯を置くことからなど、すぐにできること、気になることから始めてみましょう。
そして、こうした備えについて、ぜひご家族で話し合ってみてください。「停電したらどうする?」「お水が使えなくなったら?」と問いかけることで、お子さんも一緒に考えるきっかけになります。ゲーム感覚で「懐中電灯を探す練習」をしてみるのも良いかもしれません。
備蓄品は一度揃えたら終わりではなく、定期的に(半年に一度など)チェックし、消費期限や使用期限を確認し、必要に応じて買い足したり入れ替えたりすることが大切です。買い物のついでにリストのものを一つ二つカゴに入れるなど、日々の生活の中で無理なく続けていく工夫をしましょう。
停電や断水は起こらないに越したことはありません。しかし、万が一の時に備えておくことで、家族みんなの安心につながります。このチェックリストが、わが家の防災計画を見直す一助となれば幸いです。