わたしたちの防災計画室

【実践】わが家の災害時「水」対策!必要な量と賢い備蓄・管理方法

Tags: 水備蓄, ローリングストック, 災害対策, 子育て防災, 防災計画

災害時の水の備え、できていますか?

日々の暮らしに欠かせない水。蛇口をひねれば当たり前のように出てくる水ですが、もしもの災害時には、その当たり前が失われてしまう可能性があります。水道が止まってしまった場合、飲料水だけでなく、生活用水(手洗い、トイレ、調理など)にも困ってしまいます。特に小さなお子さんがいるご家庭では、衛生面やミルク作りなど、水が必要な場面が多くあります。

防災対策というと、非常食や防災グッズを思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろんそれらも大切ですが、「水」の備えは、命と健康を守る上で非常に重要です。忙しい毎日の中で、つい後回しになってしまいがちな水の備えについて、今回は子育て家庭でも無理なく実践できる具体的な方法をお伝えします。

なぜ水の備えが必要なのでしょうか?

地震や台風、大雨などの災害が発生すると、水道管の破損や停電、水源の被災などにより、断水が広範囲に発生する可能性があります。断水が復旧するまでには、数日から長い場合には1週間以上かかることもあります。

この間、私たちは外部からの水の供給に頼ることになります。しかし、支援物資の到着には時間がかかる場合があり、また、多くの人が給水所に殺到することで、すぐに必要な量を得られない状況も考えられます。

ご家庭で事前に水を備蓄しておくことは、こうした状況で家族が水に困らないために、そして給水所の混雑を避け、救援活動の妨げにならないためにも非常に大切なのです。

どれくらい備えれば安心?必要な水の量の目安

では、具体的にどれくらいの水を備蓄しておけば良いのでしょうか。国や自治体では、最低でも「3日分」、推奨としては「1週間分」の水を備蓄することが推奨されています。

必要な水の量の目安は、大人一人あたり1日3リットルです。これは、飲料水としてだけでなく、調理などにも使用する分を含めた量です。

ご家族構成に合わせて計算してみましょう。

【計算例】大人2人、子供1人(計3人)の場合

これはあくまで目安です。実際には、お子さんの年齢やご家族の体調、季節によって必要な量は変わってきます。例えば、夏場は水分を多く摂りますし、小さなお子さんがいる場合は、ミルク用のお湯や手洗いなどでさらに水が必要になることも考えられます。可能であれば、目安量より少し多めに備蓄しておくと、より安心できるでしょう。

どんな水を備えるべき?飲料水と生活用水

備えるべき水には、主に「飲料水」と「生活用水」があります。

1. 飲料水

文字通り、飲んだり、食事の調理に使ったりする水です。市販のペットボトル入りの水を用意するのが最も手軽で確実な方法です。

2. 生活用水

トイレを流す、手洗いをする、体を拭く、食器を洗う、洗濯(困難な場合も多いですが)、簡易的な調理器具を洗うなど、飲む以外の目的で使う水です。

生活用水は、飲料水ほど衛生的な品質を必要としない場合が多いですが、それでも手を洗うなど衛生に関わる場面で重要になります。飲料水とは別に、まとまった量を確保しておくことを検討しましょう。

賢い水の備蓄方法と管理

水の備蓄は、ただペットボトルを買い置きしておけば良いというわけではありません。いざという時に困らないための工夫と管理が必要です。

1. ローリングストックで無理なく備蓄

備蓄の基本となる「ローリングストック」は、水にも有効です。これは、普段使っているもの(この場合はペットボトルの水)を少し多めに買い置きしておき、使った分だけ買い足していく方法です。

この方法なら、特別な「災害用の水」を用意しなくても、普段から水が備蓄されている状態を維持できます。また、消費期限切れを防ぎやすいというメリットもあります。

2. 保管場所の工夫

備蓄した水は、適切な場所に保管することが大切です。

段ボールに入れたまま積んでおくと、下の段ボールが重みで潰れてしまうことがあります。可能であれば、ラックなどに収納するか、高く積みすぎないようにしましょう。

3. 消費期限の管理

市販のペットボトル水には消費期限があります。長期保存水は5年~10年と長いですが、通常のミネラルウォーターは数ヶ月から1年程度です。

定期的に消費期限を確認し、期限が近いものから普段の生活で計画的に消費していくようにしましょう。そして、消費した分は忘れずに補充することが重要です。

子育て家庭ならではの水の備えと工夫

小さなお子さんがいるご家庭では、一般的な備えに加えて、いくつか考慮しておきたい点があります。

まとめ:今日からできる水の備えリスト

水の備蓄は、一度に完璧を目指す必要はありません。まずは「3日分」を目標に、できることから少しずつ始めてみましょう。そして、定期的に見直し、家族の状況に合わせて必要な量や方法を調整していくことが大切です。

この情報が、ご家庭の防災計画を見直すきっかけとなり、皆さまの安心に繋がることを願っています。